
一緒に働いている農園スタッフの目線で、當山さんのことを少しだけご紹介させて頂ます。

當山さんは、あんまりしゃべらない人です。
自分のことを語るタイプじゃないし、何かをアピールすることもない。穏やかで、声も大きくない 。
でも、作業を見ていると分かることがあるんです。
マンゴーには「摘果」という作業があります。実がつきすぎたとき、いくつか落として残りを大きく育てる。どれを残してどれを落とすか、判断がいる作業。
私はいまだに緊張します。せっかく育った実を手で落とすわけなので。でも當山さんは迷わない。
花吊りのときもそう。伸びてきた花を支えて吊り直す作業なんですが、ポキッと折ってしまいそうで怖々やってる私の横で、當山さんは淡々と進めていく。

マンゴーって、実を作る前にまず木を作らないといけない。枝の伸ばし方、誘引のかけ方。沖縄は内地のようなポット栽培じゃなくて地植えなので、木の形を人の手で作っていく。
ハウスに来た人がどこを見ているかで、マンゴーを分かってるかどうか分かるらしいです。畑人(ハルサー)が見ると「上手にしてるね〜」と木の作り方を見る。実じゃなくて、木を。



當山さんは、もともと車関係の仕事をしていた人。そのあと造園に移って、植物に触れるようにな って、気づいたらマンゴーの世界に。
本人はそう言っていました。車も庭もマンゴーも、手をかけて少しずつ形にしていく仕事。根っこ は全部同じなんだと思います。
マンゴーは毎年違います。去年うまくいったやり方が今年も通じるとは限らない。
今年も、気温差が激しくて。日中20度あったかと思えば朝は10度くらい。沖縄のハウスには内地のような暖房設備がないので、温度管理が難しい年になっています。
風の影響もあって少し遅れ気味。でも當山さんは慌てない。その日の状態を見て、必要なことを必要なだけ。



收穫じゃないんです。花芽が出たとき。ちゃんとここまで来た、って思えるから。
リピーターのお客さんから「今年はどう?」って連絡がくるのも、すごくうれしいみたいです。販売の時期をお知らせするのを、待ってくれている人がいる。

って言ってもらえるのが一番うれしいと。当たり前の言葉だけど、當山さんがそう言うと、ちゃんと重みがある。

マンゴーは虫と病気との戦いなので農薬をゼロにするのは難しい。でも、必要最低限に抑える。殆どの作業は手作業です。
地味な作業の繰り返し。見栄えのする工程じゃない。でも、そこに手を抜かない人が作ったマンゴーです。
食べてもらえたらうれしいです。