
當山です。ふだんの作業のことや、どうやってマンゴーを育てているか、知ってもらえたらうれしいです。
マンゴーは、放っておくとすぐやられます。アザミウマ、貝殻虫。炭疽病、すす病、べと病。名前を並べるだけでもきりがない。ちょっとした変化で状態が崩れるので、毎日ハウスを回って、見て、触って。それしかやりようがないんです。

できるだけ農薬は減らしたい。でもマンゴーは虫と病気との戦いなので、ゼロにはできない。だから、必要最低限に抑えて対応しています。
マンゴーの木は、細い枝が増えすぎると栄養が分散して、花がつきにくくなります。
じゃあ切ればいいかっていうと、切りすぎても咲かない。
温度も水も同じで、多くてもだめ、少なくてもだめ。「ちょうどいい」は毎年変わるし、木の一本一本でも違う。マニュアルにはならないです。
沖縄のマンゴーは内地のポット栽培と違って地植えなので、木の形そのものを人の手で作っていく。枝をどっちに伸ばすか、どう誘引するか。自分が一番大事にしているのは、この木作りのところです。



花が伸びてきたら、吊り直す作業があります。地味な作業なんです。見栄えはしない。でも、せっかく伸びてきた花をポキッとやってしまったら終わりなので、いつも慎重にやります。
摘果も同じ。実がつきすぎたら、いくつか落として残りを大きく育てる。どれを残してどれを落とすか。感覚としてはもう迷わないんですけど、最初の頃は怖かった。せっかくできた実を自分の手で落とすので。
殆どの作業は手作業。機械でやれる工程はほとんどないです。



マンゴーには、葉や枝を伸ばす時期と、花や実をつける時期があります。この切り替わりのタイミングで肥料を間違えると、花がつかない。実も大きくならない。
窒素、リン酸、カリウム。それぞれ役割があって、必要なタイミングで、必要な分だけ与えていきます。言葉にすると当たり前なんですけど、「必要な分」が分かるまでに何年もかかりました。


マンゴーの評価って、どうしても見た目が中心になりがちです。色、形、サイズ。味については糖度くらい。
でも、このマンゴーはただ甘いだけじゃないと思っています。コクがあって、酸味もある。口に入れたときのバランスが、ちょっと違う。それは写真じゃ伝わらないし、品評会の点数にも出ない。
ひとくち、口に入れた瞬間に生まれる表情が、きっとその人の美味しいを表現していると思います。